《情书》是由岩井俊二自编自导的纯爱电影,由中山美穗、丰川悦司、柏原崇等主演,于1995年3月25日首映。
该片改编自同名小说《情书》,讲述了一封原本出于哀思而寄往天国的情书,却大出意料收到同名同姓的回信,并且逐渐挖掘出一段深埋多年却始终沉静的纯真单恋的爱情故事。
主播:中村纪子
作品:岩井俊二『ラブレター』
BGM:麗美 - Childhood Days
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(2)
そのへんてこな手紙が舞い込んだのは三月初めのことだった。その日はひきかけていた風邪がいよいよ本格化し、朝一番の体温計が三八度五分を記録した日でもあった。職場である市立図書館に電話して一応の義務だけ果たしたあたしは、まだぬくもりの残っているベッドに飛び込んで二度寝を楽しみ、遅い朝食の後はリビングのカウチで三度寝を味わった。その心地よい眠りを妨げたのは郵便屋のオンボロバイクの音だった。
郵便屋の利満は、なんていうか、女の子と見ると声をかけずにはいられないような、脳味噌の密度の薄そうな男である。そしてその特徴的なキイの高い地声が時としてあたしの神経を劇症的に逆なでするのだ。今日みたいに体調のすこぶる悪い時にはなおさらだった。ところが判断力のにぶっていたその日のあたしはそんなことをすっかり忘れて、迂闊にも無防備な姿のままでドアを開けてしまった。無防備な、というのは櫛の通していないボサボサの頭とか顔半分を覆っている大きいなマスクとか、カーディガンの下の着たきりのパジャマとか、まあ、そういったことだった。そんな格好のあたしを門のむこうの利満は驚き半分、嬉しさ半分のまなざしでしげしげと眺めた。
「アレエ?今日はいたんだァ!」
サンダルを突っかけたあたしの二つの足が止まった。
(しまったぁ!)
朦朧とした頭でそう思ったが、もう遅かった。
「仕事、休み?」
「…………」
「風邪ひいたの?マスクなんかしちゃって」
「…………」
「今年の風邪はしつこいってよ」
あたしにすればシカトしてやり過ごそうという作戦だったのだが、このままだとこいつはいつまでも喋っていそうだった。あたしは勇気を奮い起こして郵便受けまで走った。
「ねエ、映画のチケットあんだけどさァ。一緒にどう?土曜とか」
利満が何かわめいていたが聞く耳持たずにあたしは郵便受けから郵便をかき出すと素早くUターンし、一気に家の中に飛び込んだ。
「あ!樹ちゃん!」
構わずあたしはドアを閉めた。このわずかな一往復も今のあたしにはちょっときつい運動だった。激しい動悸に見舞われた我が身は思わず玄関にうずくまってしまった。これも全部利満のせいだ。その利満が今度は家の呼び鈴を何度も鳴らし始めた。あたしは怒りを抑えてインターホンに向かった。
「……はい?なんでしょうか?」
「樹ちゃん!手紙落としたよ!」
外の大声がインターホンの声とダブって聞こえた。その声はお手柄を褒めてほしい子供みたいにやけにはりきっている。
「あ、すみません。ポストに入れといて下さい」
利満の返事はなかった。そのかわり鉄柵を開ける鈍い音がした。
(勝手に入ってくんなよ!)
あたしの心の叫びもお構いなしに利満は敷地内に不法侵入した揚げ句、玄関のドアをドンドンと叩いた。
「樹ちゃん!手紙!……手紙!」
利満は何度もドアをたたきながら手紙手紙と吠えたてた。
……
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