君はとてもビックリしたようだった
そして すぐに笑い出した
「僕
まだ自分の星にいるつもりになっていたよ」
「そうだね」
誰もが知っているように
アメリカが正午の時には
フランスは夕暮れだ
だから
1分でフランスに飛んでいけたら
夕日を見ることが出来るけど
残念ながら
フランスは遠すぎる
だけど君の小さな星では
本の少し椅子を動かすだけでいい
そうすれば
見たい時にいつでも黄昏を眺めていられる
「僕ね
一日に44回も夕日を見たことがあるよ」
そう言って
暫くしてから こう付け加えた
「ね 悲しくてたまらない時って
夕日が恋しくなるよね」
「44回も夕日を見た日は
悲しくてたまらなかったのかい」
しかし 王子さまは答えなかった