星の王子さま そのⅠ&Ⅱ

星の王子さま そのⅠ&Ⅱ

2015-08-20    27'35''

主播: 尼糯米最高

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介绍:
星の王子さま 原作:アントワーヌ・ド・サン・テグジュペリ 王子さま:保志総一郎 パイロット:諏訪部順一 01 プロローグ 六歳の時僕は、体験談(たいけんだん)という原生林(げんせいりん)について書かれた本で素晴らしい挿絵(さしえ)を見たことがある。それは、大蛇(だいじゃ)のボアが猛獣(もうじゅう)を飲み込もうとしている絵だった。 本には、こんな説明があった。 「ボアは獲物を噛まずに丸ごと飲み込みます。すると動けなくなるので、獲物を消化する半年もの間、ずっと眠って過ごします。」 僕は、ジャングルでの冒険についていろいろと考え、自分でも色鉛筆を使って、生まれてはじめての絵を書き上げた。 その傑作(けっさく)を大人たちに見せ、怖いかどうか聞いてみた。すると、こんな答えが返ってきた。 「どうして帽子が怖いんだい?」 帽子の絵なんかじゃなかった。象を消化しているボアを書いたのだ。でも、大人には分からないらしいので、今度はボアの内側の絵を書いてみた。大人には、いつだって説明が必要なのだ。僕の二番目の絵では、ちゃんとボアの中にいる象が見えていた。 しかし大人たちは、中が見えようが見えまいが、ボアの絵は片付けて、地理や歴史、算数や文法の勉強をしなさいと、僕を窘(たしな)めた。 こうして、六歳にして僕は、偉大な画家になるという夢を諦めた。作品第一号と第二号が共に不評(ふひょう)で、気持ちが挫けてしまったのだ。 大人というのは、自分たちでは全く何も分かっていないから、いつも子供の方から説明してあげなきゃいけなくて、うんざりする。 僕は、別の仕事を選ぶ必要に迫られて、飛行機の操縦士(そうじゅうし)になった。そして、世界中をあちこち飛び回った。地理は確かに役に立った。僕は一目で中国とアリゾナを見分けることができる。夜間(やかん)飛行で迷った時など、そういう知識があると本当に助かる。 これまでの人生で、僕はたくさんの重要人物と知り合った。ずいぶん多くの大人たちと一緒に暮らしたし、間近にも見てきた。それでも僕の考えは、あまり変わらなかった。 僕は、物分かりの良さそうな人に出会った時には必ず、肌身(はだみ)離さず持ち歩いていた作品第一号を見せ、実験していた。その人が、本当に物事の分かる人かどうか、知りたかったから。でも、答えはいつも同じだった。 「帽子だね。」 そのあと僕は、ボアの話も原生林の話も星の話もしなかった。話を合わせて、ブリッジやゴルフや政治やネクタイの話をした。するとその大人は、話が分かる相手と知り合えたと言って、喜ぶのだ。 日语听写「星の王子さま」CD1 02 2008-03-16 00:57 02 羊 こうして僕は、六年前、サハラ砂漠で飛行機が故障するまで、心を許して話せる相手に出会うこともなく、一人で生きてきた。 飛行機は、エンジンのどこかが壊れていた。整備士も乗客も乗せていなかったので、僕は難しい修理の仕事を一人でやり遂げるしかなかった。死活(しかつ)問題だった。飲み水は一週間分あるかないかだった。 最初の夜、僕は人の住む場所から千マイルも離れた砂の上で眠った。大海原(おおうなばら)を筏(いかだ)で漂流する遭難者より、ずっと孤独だった。だから、夜明けに小さな可愛らしい声で起こされた時、僕がどんなに驚いたか想像してみてほしい。その声は、こう言った。 「お願い、羊の絵を書いて。」 「え?」 「羊を書いて。」 雷(かみなり)に打たれたみたいに飛び起きると、目を擦って辺りを見回した。そこには、とても不思議な子供が一人いて、僕を真剣に見つめていた。 僕は突然現れたその子供を目を丸くして見つめた。何度も言うけれど、人の住む所から千マイルも離れていたのだ。しかしその子は、道に迷っているようには見えなかった。疲れや飢えや渇きで死にそうになっているようにも、怖がっているようにも見えなかった。人の住む所から千マイルも離れた砂漠を真ん中にいながら、途方に暮れた迷子と言った様子は少しもなかったのだ。 ようやく口が聞けるようになると、僕はその子に尋ねた。 「君は、こんな所で何をしているの?」 しかしその子はとても大切なことのように、静かに繰り返すだけ。 「お願い、羊の絵を書いて。」 馬鹿げた話だが、人の住む所から千マイルも離れて、死の危険に曝(さら)されているというのに、僕はその子に言われるままに、ポケットから一枚の紙切れ(かみきれ)と万年筆を取り出していた。だけどそこで、僕が一生懸命勉強してきたのは地理と歴史と算数と文法だけだったことを思い出して、少し不機嫌になりながら、絵は書けないんだと、その子に言った。 「そんなの構わないよ。羊を書いて。」 僕は羊の絵なんか書いたことがなかったので、自分に書けるたった二つの絵のうちの一つを書いてあげた。ボアの外側の絵だ。 その時男の子がこういうのを聞いて、僕はビックリした。 「違う違う。ボアに飲み込まれた象なんて要らないよ。ボアはとっても危険だし、象はけっこう場所塞(ふさ)ぎだから。僕の所はとっても小さいんだ。ほしいのは羊。羊を書いて。」 そこで僕は、羊を書いた。 「んー、ダメだよ。この羊はひどい病気だ。違うのを書いて。」 僕は書き直した。 男の子は僕を気遣って、優しく微笑んだ。 「よく見て、これは羊じゃあないでしょう。雄羊(おひつじ)だよね。角(つの)があるもの。」 そこで僕はまた書き直した。 けれどそれも前の二つと同じように拒絶された。 「この羊は年を取りすぎているよ。僕、長生きする羊がほしいの。」 我慢も限界に近づいていた。修理を始めなければと焦っていた。僕は、ざっと書きなぐった絵を男の子に投げ渡した。 「これは羊の箱だ。君が欲しがっている羊はこの中にいるよ。」 すると驚いたことに、この小さな審査員(しんさいん)の顔が、ぱっと輝いたのだ。 「ぴったりだよ。僕がほしかったのは、この羊さ。ねえ、この羊、草をいっぱい食べるかな?」 「どうして?」 「僕の所はとっても小さいから。」 「大丈夫だよ。君にあげたのはとっても小さな羊だからね。」 「そんなに小さくないよ。あれ、羊は寝ちゃったみたい。」 こうして僕は、この小さな王子さまと知り合いになった。 王子さまがとこから来たのか分かるまで、かなり時間がかかった。王子さまは、僕にはたくさん質問してくるのに、こちらからの質問にはほとんど耳を貸さなかったのだ。少しずつ全てが明らかになっていったのは、王子さまが偶々口にした言葉からだった。それは、初めて僕の飛行機を見た時のことだ。 「何、これ?」 「飛行機。空を飛ぶんだ。僕の飛行機さ。」 空を飛べると自慢げに話していたら、王子さまは大声で言った。 「え?じゃあ、君は空から落(お)っこちてきたんだ。」 「まあ、そうだなあ。」 「あ、それは可笑しいね。」 王子さまは可愛い声で笑い出したが、僕はかなりいらいらした。自分を襲った災難を真面目に受け取ってほしかったのだ。しかし王子さまは続けてこう言った。 「それじゃ、君も空から来たんだね。どの星から来たの?」 その瞬間、王子さまがなぜここにいるのかという疑問に、さっと光が差し込んだように感じて、僕はすぐに尋ねた。 「君は、よその星から来たのかい?」 しかし王子さまは答えず、飛行機を見て、そっと首を振っただけだった。 「これに乗ってきたのなら、そんなに遠くからじゃないよね。」 そう言うと、物思いに沈んでいった。王子さまはポケットから羊の絵を取り出して、大切そうに眺めていた。 「君はどこから来たの?その羊をどこへ連れて行くつもりなの?」 「この箱がいいのわね。夜になると、羊の小屋になるって所だよ。」 「そうだね。いい子にしていたら、昼間羊を繋いでおく綱もあげるよ。それに、綱を結んでおく杭(くい)もね。」 「羊を繋いでおくの?可笑しいよ、そんなの。」 「でも、繋いでおかなかったら、勝手にあちこち歩き回って、どこかいなくなっちゃうだろ。」 すると、僕の友達はまた笑い出した。 「羊がどこへ行くっていうのさ。」 「どこにでも。ずっとまっすぐ歩いていって…」 「大丈夫だよ、僕の所は本当に小さいからね。まっすぐに行っても、そんなに遠くには行けないよ。」 こうして僕は、二つ目のとても大切なことを知った。王子さまのいた星は、家一軒(いっけん)よりやや大きいくらいの大きさなのだ。 それほど驚きはしなかった。地球や木星・火星・金星のように名前のある巨大な星以外にも、望遠鏡でも見つからないほど小さな星が何百とあることを知っていたからだ。天文学者がそんな星を発見すると、名前の代わりに番号を付ける。例えば、小惑星325と言ったように。 王子さまがやって来た星は、小惑星B612だと思う。1909年にトルコの天文学者が一度だけ望遠鏡で観測した星だ。 天文学者は国際天文家会議で自分の発見について堂々と発表した。しかしその時は、服装のせいで誰にも信じてもらえなかった。大人なんて、そんなもんだ。 しかし、小惑星B612に名誉挽回(めいよばんかい)の幸運が訪れた。トルコの独裁者が国民にヨーロッパ風の服装を着るように命令し、従わなければ死刑ということになったのだ。そこで天文学者は、1920年、今度はもっと洗練(せんれん)された服装で同じ発表を繰り返した。この時はみんなが彼の言うことを信じた。 この星のことをこんなに詳しく話して、番号まで教えるのは大人たちのせいだ。大人は数字が好きだ。数字以外には興味がない。 字数のせいで、詳しくは私信でお願いします☆彡