「偶には仕事を後回しにしても
大丈夫な時ってあるけど
バオバブでそんなことをしたら
取り返しがつかなくなるんだ
例えばね ある星に
怠け者が住んでいたんだけど
その人は三本のバオバブを
ほったらかしにしていたばかりに…」
僕は 王子さまの話すとおりに
その星の絵を書いた
星より巨大な三本のバオバブと
途方に暮れた怠け者
お説教臭いことを言うのは
あんまり好きじゃないけれど
バオバブの脅威は地球では
ほとんど知られていないし
小惑星で道に迷った人が
危険な目に遭う可能性は
あまりにも大きい
だから僕は
一度だけ普段の慎みを忘れて
こう言っておこう
「おい
子供たち
バオバブに気を付けろう」