幸福の王子(1)  オスカー・ワイルド作  結城浩訳

幸福の王子(1) オスカー・ワイルド作 結城浩訳

2016-01-06    12'20''

主播: 静谧*

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介绍:
町の上に高く柱がそびえ、その上に幸福の王子の像が立っていました。 王子の像は全体を薄い純金で覆われ、 目は二つの輝くサファイアで、 王子の剣のつかには大きな赤いルビーが光っていました。 王子は皆の自慢でした。 「風見鶏と同じくらいに美しい」と、 芸術的なセンスがあるという評判を得たがっている一人の市会議員が言いました。 「もっとも風見鶏ほど便利じゃないがね」と付け加えて言いました。 これは夢想家だと思われないように、と心配したからです。 実際には彼は夢想家なんかじゃなかったのですが。 「どうしてあの幸福の王子みたいにちゃんとできないの」 月が欲しいと泣いている幼い男の子に、賢明なお母さんが聞きました。 「幸福の王子は決して何かを欲しがって泣いたりしないのよ」 「この世界の中にも、本当に幸福な人がいる、というのはうれしいことだ」 失望した男が、この素晴らしい像を見つめてつぶやきました。 「天使のようだね」と、 明るい赤のマントときれいな白い袖なしドレスを来た養育院の子供たちが聖堂から出てきて言いました。 「どうしてそのようなことがわかるのかね」 と数学教師がいいました。 「天使など見たことがないのに」 「ああ、でも見たことはありますよ。夢の中で」 と子供たちは答えました。 すると数学教師は眉をひそめてとても厳しい顔つきをしました。 というのは彼は子供たちが夢を見ることはよろしくないと考えていたからです。 ある晩、その町に小さなツバメが飛んできました。 友達らはすでに六週間前にエジプトに出発していましたが、 そのツバメは残っていました。 彼は最高にきれいな葦に恋をしていたからです。 ツバメが彼女に出会ったのは春のはじめ、 大きくて黄色い蛾を追って川の下流へ向かって飛んでいたときでした。 葦のすらっとした腰があまりにも魅力的だったので、 ツバメは立ち止まって彼女に話しかけたのです。 「君を好きになってもいいかい」とツバメは言いました。 ツバメは単刀直入に話すのが好きでした。 葦は深くうなずきました。 そこでツバメは、翼で水に触れながら彼女の周りをぐるぐると回り、 銀色のさざなみを立てました。 これはツバメからのラブコールで、それは夏中続きました。 「彼女はおかしな恋人だね」と他のツバメたちがぺちゃぺちゃ言いました。 「財産はないくせに、親戚は多すぎるときてる」 実際、その川は葦でいっぱいだったのです。 やがて、秋が来るとそのツバメたちもみんな飛んでいってしまいました。 みんなが行ってしまうと、ツバメはさびしくなり、自分の恋人にも飽き始めました。 「彼女は何も話してくれないしな」ツバメは言いました。 「それに浮気っぽいんじゃないかと思うんだ。 だって彼女はいつも風といちゃついてるんだから」 確かに、風が吹くといつも、葦は最高に優美なおじぎをするのでした。 「彼女は家庭的なのは認めるけれど」とツバメは続けました。 「でも、僕は旅をするのが好きなんだから、僕の妻たるものも、 旅をするのが好きでなくっちゃ」 とうとうツバメは「僕と一緒に行ってくれないか」と彼女に言いました。 でも葦は首を横に振りました。 彼女は自分の家にとても愛着があったのです。 「君は僕のことをもてあそんでいたんだな」とツバメは叫びました。 「僕はピラミッドに出発するよ。じゃあね」ツバメは飛び去りました。 中文:快乐王子的雕像高高地耸立在城市上空—根高大的石柱上面。他浑身上下镶满了薄薄的黄金叶片,明亮的蓝宝石做成他的双眼,剑柄上还嵌着一颗硕大的灿灿发光的红色宝石。   世人对他真是称羡不已。“他像风标一样漂亮,”一位想表现自己有艺术品味的市参议员说了一句,接着又因担心人们将他视为不务实际的人,其实他倒是怪务实的,便补充道: “只是不如风标那么实用。”   “你为什么不能像快乐王子一样呢?”一位明智的母亲对自己那哭喊着要月亮的小男孩说,“快乐王子做梦时都从没有想过哭着要东西。”   “世上还有如此快乐的人真让我高兴,”一位沮丧的汉子凝视着这座非凡的雕像喃喃自语地说着。   “他看上去就像位天使,”孤儿院的孩于们说。他们正从教堂走出来,身上披着鲜红夺目的斗篷,胸前挂着干净雪白的围嘴儿。   “你们是怎么知道的?”数学教师问道,“你们又没见过天使的模样。”   “啊!可我们见过,是在梦里见到的。”孩子们答道。数学教师皱皱眉头并绷起了面孔,因为他不赞成孩子们做梦。   有天夜里,一只小燕子从城市上空飞过。他的朋友们早在六个星期前就飞往埃及去了,可他却留在了后面,因为他太留恋那美丽无比的芦苇小姐。他是在早春时节遇上她的,当时他正顺河而下去追逐一只黄色的大飞蛾。他为她那纤细的腰身着了迷,便停下身来同她说话。   “我可以爱你吗?”燕子问道,他喜欢一下子就谈到正题上。芦苇向他弯下了腰,于是他就绕着她飞了一圆又一圈,并用羽翅轻抚着水面,泛起层层银色的涟漪。这是燕子的求爱方式,他就这样地进行了整个夏天。   “这种恋情实在可笑,”其他燕子吃吃地笑着说,“她既没钱财,又有那么多亲戚。”的确,河里到处都是芦苇。   等秋天一到,燕子们就飞走了。   大伙走后,他觉得很孤独,并开始讨厌起自己的恋人。“她不会说话,”他说,“况且我担心她是个荡妇,你看她老是跟风调情。”这可不假,一旦起风,芦苇便行起最优雅的屈膝礼。“我承认她是个居家过日子的人,”燕子继续说,“可我喜爱旅行,而我的妻子,当然也应该喜爱旅行才对。”   “你愿意跟我走吗?”他最后问道。然而芦苇却摇摇头,她太舍不得自己的家了。   “原来你跟我是闹着玩的,”他吼叫着,“我要去金字塔了,再见吧!”说完他就飞走 了。