幸福の王子(5) オスカーワイルド作 結城浩訳

幸福の王子(5) オスカーワイルド作 結城浩訳

2016-01-19    14'48''

主播: 静谧*

6027 272

介绍:
それからツバメは王子のところへ戻って、 見てきたことを話しました。 「私の体は純金で覆われている」と王子は言いました。 「それを一枚一枚はがして、貧しい人にあげなさい。 生きている人は、金があれば幸福になれるといつも考えているのだ」 ツバメは純金を一枚一枚はがしていき、 とうとう幸福の王子は完全に輝きを失い、灰色になってしまいました。 ツバメが純金を一枚一枚貧しい人に送ると、 子供たちの顔は赤みを取り戻し、笑い声をあげ、通りで遊ぶのでした。 「パンが食べられるんだ!」と大声で言いました。 やがて、雪が降ってきました。 その後に霜が降りました。 通りは銀でできたようになり、 たいそう光り輝いておりました。 水晶のような長いつららが家ののきから下がり、 みんな毛皮を着て出歩くようになり、 子供たちは真紅の帽子をかぶり、氷の上でスケートをしました。 かわいそうな小さなツバメにはどんどん寒くなってきました。 でも、ツバメは王子の元を離れようとはしませんでした。 心から王子のことを愛していたからです。 パン屋が見ていないとき、 ツバメはパン屋のドアの外でパン屑を拾い集め、 翼をぱたぱたさせて自分を暖めようとしました。 でも、とうとう自分は死ぬのだとわかりました。 ツバメには、王子の肩までもう一度飛びあがるだけの力しか残っていませんでした。 「さようなら、愛する王子様」ツバメはささやくように言いました。 「あなたの手にキスをしてもいいですか」 「あなたがとうとうエジプトに行くのは、私もうれしいよ、小さなツバメさん」 と王子は言いました。 「あなたはここに長居しすぎた。 でも、キスはくちびるにしておくれ。 私もあなたを愛しているんだ」 「私はエジプトに行くのではありません」とツバメは言いました。 「死の家に行くんです。 『死』というのは『眠り』の兄弟、ですよね」 そしてツバメは幸福の王子のくちびるにキスをして、 死んで彼の足元に落ちていきました。 その瞬間、像の中で何かが砕けたような奇妙な音がしました。 それは、鉛の心臓がちょうど二つに割れた音なのでした。 ひどく寒い日でしたから。 次の日の朝早く、市長が市会議員たちと一緒に、像の下の広場を歩いておりました。 柱を通りすぎるときに市長が像を見上げました。 「おやおや、この幸福の王子は何てみすぼらしいんだ」と市長は言いました。 「何てみすぼらしいんだ」市会議員たちは叫びました。 彼らはいつも市長に賛成するのです。 皆は像を見ようと近寄っていきました。 「ルビーは剣から抜け落ちてるし、 目は無くなってるし、 もう金の像じゃなくなっているし」と市長は言いました 「これでは乞食とたいして変わらんじゃないか」 「乞食とたいして変わらんじゃないか」と市会議員たちが言いました。 「それに、死んだ鳥なんかが足元にいる」市長は続けました。 「われわれは実際、鳥類はここで死ぬことあたわずという布告を出さねばならんな」 そこで書記がその提案を書きとめました。 そこで彼らは幸福の王子の像を下ろしました。 「もう美しくないから、役にも立たないわけだ」大学の芸術の教授が言いました。 溶鉱炉で像を溶かすときに、その金属を使ってどうするかを決めるため、 市長は市議会を開きました。 「もちろん他の像を立てなくてはならない」と市長は言いました。 「そしてその像は私の像でなくてはなるまい」 「いや、私の像です」と市会議員たちがそれぞれ言い、口論になりました。 私が彼らのうわさを最後に聞いたときも、まだ口論していました。 「おかしいなあ」鋳造所の労働者の監督が言いました。 「この壊れた鉛の心臓は溶鉱炉では溶けないぞ。 捨てなくちゃならんな」 心臓は、ごみために捨てられました。 そこには死んだツバメも横たわっていたのです。 神さまが天使たちの一人に「町の中で最も貴いものを二つ持ってきなさい」とおっしゃいました。 その天使は、神さまのところに鉛の心臓と死んだ鳥を持ってきました。 神さまは「よく選んできた」とおっしゃいました。 「天国の庭園でこの小さな鳥は永遠に歌い、 黄金の都でこの幸福の王子は私を賛美するだろう」 随后他飞了回来,把所见的一切告诉给了王子。   “我浑身贴满了上好的黄金片,”王子说,“你把它们一片片地取下来,给我的穷人们 送去。活着的人都相信黄金会使他们幸福的。”   燕子将足赤的黄金叶子一片一片地啄了下来,直到快乐王子变得灰暗无光。他又把这些纯金叶片一一送给了穷人,孩子们的脸上泛起了红晕,他们在大街上欢欣无比地玩着游戏。 “我们现在有面包了!”孩子们喊叫着。   随后下起了雪,白雪过后又迎来了严寒。街道看上去白花花的,像是银子做成的,又明亮又耀眼;长长的冰柱如同水晶做的宝剑垂悬在屋檐下。人人都穿上了皮衣,小孩子们也戴上了红帽子去户外溜冰。   可怜的小燕子觉得越来越冷了,但是他却不愿离开王子,他太爱这位王子了。他只好趁面包师不注意的时候,从面包店门口弄点面包屑充饥,并扑扇着翅膀为自己取暖。   然而最后他也知道自己快要死去了。他剩下的力气只够再飞到王子的肩上一回。“再见了,亲爱的王子!”他喃喃地说,“你愿重让我亲吻你的手吗?”   “我真高兴你终于要飞往埃及去了,小燕子,”王子说,“你在这儿呆得太长了。不过你得亲我的嘴唇,因为我爱你。”   “我要去的地方不是埃及,”燕子说,“我要去死亡之家。死亡是长眠的兄弟,不是吗?”   接着他亲吻了快乐王子的嘴唇,然后就跌落在王子的脚下,死去了。   就在此刻,雕像体内伸出一声奇特的爆裂声,好像有什么东西破碎了。其实是王子的那颗铅做的心已裂成了两半。这的确是一个可怕的寒冷冬日。   第二天一早,市长由市参议员们陪同着散步来到下面的广场。他们走过圆柱的时候,市长抬头看了一眼雕像,“我的天啊!快乐王子怎么如此难看!”他说。   “真是难看极了!”市参议员们异口同声地叫道,他们平时总跟市长一个腔调。说完大家纷纷走上前去细看个明白。   “他剑柄上的红宝石已经掉了,蓝宝石眼珠也不见了,他也不再是黄金的了,”市长 说,“实际上,他比一个要饭的乞丐强不了多少!”   “的确比要饭的强不了多少,”市参议员们附和着说。   “还有在他的脚下躺着一只死鸟!”市长继续说,“我们真应该发布一个声明,禁止鸟类死在这个地方。”于是市书记员把这个建议记录了下来。   后来他们就把快乐王子的雕像给推倒了。“既然他已不再美丽,那么也就不再有用了,”大学的美术教授说。   接着他们把雕像放在炉里熔化了,市长还召集了一次市级的会议来决定如何处理这些金属,当然,我们必须再铸一个雕像。”他说,“那应该就是我的雕像。”   “我的雕像,”每一位市参议员都争着说,他们还吵了起来。我最后听到人们说起他们时,他们的争吵仍未结束。   “多么稀奇古怪的事!”铸像厂的工头说,“这颗破裂的铅心在炉子里熔化不了。我们只好把它扔掉。”他们便把它扔到了垃圾堆里,死去的那只燕子也躺在那儿。   “把城市里最珍贵的两件东西给我拿来,”上帝对他的一位天使说。于是天使就把铅心和死鸟给上帝带了回来。   “你的选择对极了,”上帝说,“因为在我这天堂的花园里,小鸟可以永远地放声歌唱,而在我那黄金的城堡中,快乐王子可以尽情地赞美我。” 完结