積極的に自己否定する
体の使い方には誰でも癖があり、右に偏ったり左に偏ったりします。
ひとつのところをつかいすぎるというのも癖のひとつで、目ばかりつかってくたびれるといった話をよく聞きます。偏ったつかい方はあちこちに影響を及ぼすので、疲れすぎの目のせいで肩がこり、頭まで痛くなってくるなど、トラブルが広がっていきます。
頭と心も同じように、放っておくとバランスが偏るものです。
「どうもしっくりこない」ということは僕にもしばしばあり、そんなときは頭と心のバランスが崩れているので、自分で自分を矯正します。
野球選手は打率(だりつ)が落ちた時、「ピッチャーが強すぎる」とか「監督の指示が悪い」という不平は漏らしません。一人こつこつと、自分のフォームを矯正していきます。それと同じで、うまくいかない自分のコンディションを整えるためには、自分自身を見つめ直したほうが解決への近道となります。
矯正とは、いまあるかたちを理想のかたちにつくりかえることです。言葉を換えると、今あるかたちをいったん否定すること。つまり自分を矯正するとは、自分らしさを捨て去り、前向きかつ積極的な自己否定をするということです。