「豊かさ」再考3

「豊かさ」再考3

2021-04-15    02'17''

主播: 认真努力的Dianne

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介绍:
 これは、まさに現在の日本の姿ではあるまいか。塾や習い事に追われる子供たち、「一社懸命」的に仕事に時間を奪われる会社人たち。そして、定年退職後、初めて手にする二十年という「余生」。しかし、そのとき、子供時代の時間、青年時代の呪医間、壮年時代の時間は戻ってはこない。時間は不可逆である。「モモ」は、まことに思いメッセージをわれわれに投げかける。  今、日本の社会は「人生八十年時代」を迎えている。一人の人間がおよそ八十歳まで生きるとすれば、持ち時間は生涯七十万時間である。先進国の中では、もっとも長時間の労働をしているこの日本でも、生涯全体の中での労働時間の割合は、およそ11パーセントである。この数字を見て、予想外に少ないと感じるかもしれない。映画「あー野麦峠」の中に登場する女工さんたちの労働時間は、およそ十五、六時間。食事で時間、睡眠時間を除けば、自由に過ごすことのできる時間はきわめて少なかった。しかも、「人生五十年時代」であったのだから、それこそ労働時間以外の自由時間は、きわめて限られたものであった。余暇という日本語ができたのは、大正時代の終わりのころ。大阪市役所が意識調査を行う際に作った造語であるが、当時の人々にとっては、自由時間というよりはかろうじてあまった暇としての余暇という言葉が、まさにふさわしかったといえる。
上一期: hanabi
下一期: 「豊かさ」再考4(完)