かけがえのない水

かけがえのない水

2016-05-31    08'55''

主播: 蓮華

2247 69

介绍:
夏休みになると、毎年のように思い出すことがある。そう、それは小学生の頃、毎日のように遊んだ、小さな川のこと。 私の家の周りは、たくさんの山に囲まれている。その山の中には、小さな川が流れていて、水中にはたくさんの生き物がみられる。 夏休みなり遠くから、いとこが遊びに来れば、真っ先に川に向かう。山を下り、光を浴びたその川は、透明でキラキラと輝いている。水中をのぞけば、やはり、たくさんの魚と岩影に隠れた、カニや小さなエビがいる。魚をいとこと夢中で捕まえた。楽しい思い出がたくさんつまった、あの川。 そんなことを思い出していると、ふと、思うことがある。あの川は、私が大人になった時も、今のキレイな川のまま残っているのだろうかということ。それがとても心配になって、祖母に聞いてみることにした。すると祖母は、 昔遊んだ川は、今よりずっと透明で、魚などの生き物がたくさんいたよ。今は、川にゴミが多くなって、生き物が少なくなった。 と話してくれた。川にゴミが多い、それがとても心に残っている。確かにそれは、私も感じていた。川にゴミがあるということ、もちろんそれは、私たち人間が持ち込んだものだ。そんなことが繰り返されて、やがて水が汚れていく、そしてたくさんの生き物がどんどん減っていく。つまり、私たち人間は、生き物の大切な水を奪っていることになるのではないだろうか。水は、すべての生き物にとって欠かせないものなのだから、人間だけの自由で大切な水を汚してはいけないと思う。 また、私の家の畑では、野菜を作っている。スーパーで買った野菜に比べ、みずみずしく新鮮な家の野菜は、とても自慢だ。そして、その野菜を作るためには、もちろん、水が使われている。私の祖父は、一年中、真夏の炎天下の中でも、野菜作りを行い、畑仕事に行くときには、いつも水筒を持っていく。その水筒は畑仕事の合間に飲むもので、長時間の作業では、水筒の中が空になってしまうこともある。そんな時、祖父はいつも、 水を水筒の中に入れてきてほしい。 という。そして、言われた通りに水をいれ祖父に渡すと、 ああ、水が一番うまい。 と水を飲む。水は、人間にとって、生きるために欠かせないものだ。野菜や植物も、それと同じことがいえると思う。野菜が育つためには、水が必要で、水がなければ育たない。つまり、水がなければ野菜は育たなく、野菜ができなければ、私たち人間は野菜を食べられなくなってしまうのだ。水は、あらゆる生き物の命と命をつなぐリレーのバトンになっている。そのバトンがなくなってしまえば、リレーは続かなくなってしまうことを考え、一人ひとりが水を大切にしなくてはいけないのだと思う。 蛇口をひねれば、当たり前のように水が出てくる、私たちの生活。生活の中で、水に不便を感じることがないため、当たり前の水になってしまっているのだと思う。水は、だれでも自由に使うことができる。しかし、みんなの水を一人ひとりが使わせてもらっている、ということではないのだろうか。今、自分が使った水は、みんなの水であることを忘れないで、責任をもって水を使わなければ、私の大好きな、たくさんの思い出がつまった、あの川も、私が大人になったとき、汚れてしまい、生き物がいなくなってしまうだろう。 まずは、この蛇口から水が出なくなってしまったら、ということを考え、当たり前の水から、かけがえのない水にしていきたいと思う。命と命のリレーをつなぐバトン。大切な水をみんなで守っていけたらよいのではないだろうか。