王子さまはポケットから羊の絵を取り出して
大切そうに眺めていた
「君はどこから来たの?その羊をどこへ連れて行くつもりなの?」
「この箱がいいのはね
夜になると 羊の小屋になるって所だよ」
「そうだね いい子にしていたら
昼間は羊を繋いでおく綱もあげるよ
それに、綱を結んでおく杭もね」
「羊を繋いでおくの おかしいよ そんなの」
「でも 繋いでおかなかったら
勝手にあちこち歩き回って
どこかへいなくなっちゃうだろ」
すると 僕の友達はまた笑い出した
「羊がどこへ行くっていうのさ」
「どこにでも ずっとまっすぐ歩いていって…」
「大丈夫だよ 僕の所は本当に小さいからね
まっすぐに行っても そんなに遠くには行けないよ」