僕は王子さまに
バオバブは小さな樹じゃなくて
教会の建物と同じぐらい大きな樹だから
象の群れを丸ごと連れてきても
たった一本のバオバブも食べきれないだろうと
教えてあげた
象の群れを思い描いて
王子さまは笑った
「上に上に積み重ねなきゃいけないね」
しかし 続けてなかなか鋭い指摘をした
「バオバブだって 大きくなる前は小さいんだよね」
「そりゃそうだよ
それにしても
どうして羊に小さなバオバブを食べてもらいたいんだい」
「何を言ってるの そんなの当たり前でしょ」
僕は 一人でこの難問を解き明かすことになり
散々頭を捻った。