秒速5センチメートル

秒速5センチメートル

2017-07-21    03'43''

主播: 赤蜻蛉

338 1

介绍:
駅と駅との間は信じられないくらい離れていて、電車は一駅ひとえきごとに信じられないくらい長ながい間停車した。窓の外は見たこともないような雪の荒野(こうや)も、じわじわと流ながれていく時間も、痛いような空腹も、僕をますます心細くさせていった。 電車はそれから結局2時間も何もない荒野に止とまり続つづけた。たった一分がものすごく長く感じられ、時間ははっきりとした悪意(あくい)をもって僕の上をゆっくりと流れていった。僕はきつく歯はをくいしばり、ただとにかく泣かないように耐えているしかなかった。明里、どうかもう家に帰っていてくれればいいのに… その瞬間、永遠とか心とか魂とかいうものがどこにあるのか、分った気がした。13年間生きてきたことの全をわかち合あえたように僕は思い、それから次つぎの瞬間、堪まらなく悲しくなった。明里のその温もりを、その魂をどのように扱えばいいのか、どこに持っていけばいいのか。それが僕には分からなかったからだ。 僕たちはこの先もずっと一緒にいることはできないとはっきりとわかった。僕たちの前には、いまだ巨大すぎる人生が、茫漠(ぼうばく)とした時間がどうしようもなく、よこたわっていた。でも、僕を捉えたその不安はやがて緩(ゆるやか)に溶けていき、後には明里の柔らかな唇だけが残こっていた。 站与站之间的距离远得令人难以置信,电车在每一站停靠的时间也长得不可思议。无论是窗外那从未见过的大雪弥漫的荒野,或是渐渐流逝的时间,还是腹痛般的饥饿感,都越发让我感到不安 …之后,电车在空旷的荒野上整整滞留了两个小时。哪怕是一分钟,我也感到无比漫长,时间,就像是恶作剧一般从我的头顶上方缓缓流逝。我却只能咬紧牙关,忍耐着,至少不让自己哭出来。明里,你要是已经回家就好了… …那一瞬间,我明白了所谓永远、心、灵魂等诸如此类存在的地方。我们共同经历共同分享了13年人生,13年的回忆,在下一个瞬间又让人悲伤得无法抑制。明里的那份温暖和思念,我不知道该如何珍藏,也不知道该带向何处。 我清楚地知道,我们不可能永远在一起。我们将要迎接的,是那漫漫的人生长路,和那茫茫的时间长河。然而,我们却无能为力。只是,这占据在我心头的不安竟渐渐消散,之后只剩下明里柔软双唇的感觉。