『卒業』転入生2

『卒業』転入生2

2015-10-13    03'27''

主播: 日剧台词美文朗读

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介绍:
「卒業」転入生 (2) 本当に嫌な子供だった。だが、彼と一緒にいればいるほど僕は彼の純粋さに打ちのめされる結果となった。放課後はよく二人で学校の隣にある公園で遊んだ。校門が閉まった後はそこが絶好の遊び場で僕は彼をそこに招待したのだ。しかし、木の枝(えだ)を折ったり花を抜いたりといたずらする僕を決まって彼が窘(たしな)めた。その度に僕は口を曲げた。学校ではできない密かな楽しみを奪われる気がして、頭に来たからだが、同時に言い付けられると思う恐怖もあって黙った。しかし、彼は決してそんなことはしなかった。ある日、公園の管理人から学校に苦情が入った。いたずらしている児童がいると教室で先生からそれを告げられると、僕は心臓が止まりそうになった。皆の前で恥をかきたくないという思いが頭を駆け巡(めぐ)り、青ざめて下を向いていると不意に僕ですという声が聞こえた。顔を上げると彼が席から立って、ごめんなさいと先生に頭を下げていた。 虫取りをしていた時のことだった。僕がカマキリを殺して遊んでいると、いきなり彼に突き飛ばされた。何をするんだと睨み(にらみ)つけると彼は命は大切だからといって涙を流した。道を歩いていても彼は困っている人を見つけると、躊躇(ちゅうちょ)なく助けようとする。横断歩道(おうだんほどう)で老人の手を引いたり、重い荷物を持ってやったり、お前のほうがよっぽと大変だぞとずっと思いながら、僕は慌てて彼を手伝った。彼に聞いたことがある。なぜそんなことまでやるのかと。彼の答えは僕を圧倒した。 「僕は人の役に立ちたいんだ。こんな体でも役に立てるって、世の中に必要とされているって思いたいんだ。じゃないと、僕が生きている価値がなくなっちゃう。それが怖いんだ。」正直すごいやつだと思った。と同時に、こいつには勝てないのではと心の底で思った。今まで陰(かげ)で助けてもらっているくせに、嫉妬で我を失いそうになって、この時は彼をおいて家に帰ってしまった。普段はみんな、彼のことを僕の子分かなんかのように思っている。しかし、実は対等以上に彼の存在が大きく、それに自分で気づくことさえいやだった。