【有文稿】福娘童话集 第二话 この正直者め

【有文稿】福娘童话集 第二话 この正直者め

2015-12-14    04'40''

主播: 阿衡ö

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介绍:
1月2日: この正直者め 音声 スタヂオせんむ 吉四六(きっちょむ)さん → 吉四六さんについて むかしむかし、きっちょむさんと言う、とんちの上手な人がいました。  むかしは、ところどころに関所というものがあって、通る人や荷物をきびしく調べていました。  きっちょむさんの村から町へ行くのにも、この関所を通らなければなりません。  ところが、この関所には悪いの役人がいて、 「こらこら!そのとっくりの中身は、何じゃ?!何か良くない物を隠しておるのではないだろうな!今から、取り調べてやる」と、役人は荷物の中にお酒を見つけると、取り調べと言いながらお酒を飲んでしまうのです。  そこでこまった村人たちが、きっちょむさんに頼みました。 「きっちょむさん。 お前さんのとんちで、あの役人をこらしめてはくれんか?」  役人のうわさを聞いていたきっちょむさんは、すぐに引き受けました。 「よし、まかせておけ。その役人が、二度と酒を飲まないようにしてやる」  きっちょむさんはそう言うと、さっそく町へお酒を買いに出かけました。  町からお酒を買って帰ろうとすると、あの役人がさっそくきっちょむさんを呼び止めました。 「こらこら! そのとっくりの中身は、何じゃ?!」  するときっちょむさんは、わざとこまった顔で答えます。 「はい。これは、その・・・。実は、小便が入っております」 「何、小便じゃと? ・・・ほうほう、多少は知恵を使ったようだが、このわしには通用せんぞ」  役人は、とりあえず用心にとっくりのにおいをかぐと、ニンマリと笑って中のお酒をうまそうに飲み干しました。 「うむ、これは上物。なかなかに、うまい小便じゃ。よし、行ってよし!」  空になったとっくりをきっちょむさんに返した役人は、満足そうに言いました。  さて、それから三日後、きっちょむさんはまた町へ行くと、とっくりを下げて関所を通りました。  するとやっぱり、あの役人が呼び止めます。 「こらこら! そのとっくりの中身は何じゃ?!」 「はい。これは、その、小便が入っております」  きっちょむさんが答えると、役人はきっちょむさんを見てニンマリと笑いました。 「おおっ、お前はこの前の。少しは知恵があると思ったが、またこりずに小便とはな」  役人はきっちょむさんからとっくりを取り上げると、今度はにおいもかがずに、いきなりゴクゴクと飲みました。  しかしすぐに目を白黒させて、飲んだ物をはき出しました。 「ブーーッ! こ、こ、こら! これは、何じゃい! きさま! わしに小便を飲ませたな!」  役人は刀を抜くと、きっちょむさんに詰め寄りました。  ですがきっちょむさんは、平気な顔で言いました。 「だからわたしは、小便と申し上げましたよ」 「むっ、むむむむ」  これには役人も、返す言葉がありません。  役人は刀をおさめると、きっちょむさんに言いました。 「この、この正直者め。行ってよし!」  それから役人は関所を通る人の荷物にお酒を見つけても、もう飲もうとはしなかったそうです。